よいこの読書録

よいこが読んだ本の感想を好きなように書くの

四畳半タイムマシンブルース / 森見登美彦 / 原案:上田誠

2020・7・29 初版 角川書店 2020/8/1購入 2020/8/2読了

目次

第一章 八月十二日・・・・・・・・5P

第二章 八月十一日・・・・・・・・102P

第三章 ふたたび八月十二日・・・・191P

                全225P


有意義な夏を過ごしたことがないと断言されて始まる話
そこに親近感を覚える悲しさ、と、期待
僕の四畳半タイムマシンブルースが始まる
209号室の不快指数が頂点を極めるとは、12時を周り太陽が頂点に昇ると一緒に不快指数も頂点を極めたのであろうか。
210号室に樋口清太郎(ひぐちせいたろう)
クーラーのお通夜、歴史的遺産、コーラをリモコンにかけてお釈迦様
小津との出会いは、「京福電鉄研究会」
明石さん、アサガオの観察に余念のない小学生のごとくはアニメ(四畳半神話体系)の明石さんを用意に想像させる素敵な言葉
不覚にも真摯な女性、明石さんに、にんまりとしてしまった。
明石さんは学内映画サークル「みそぎ」に参加している。監督であり、ポンコツ映画を撮る 例)幕末軟弱者列伝 サムライ・ウォーズ

ポンコツだからいい、味わいとは舌に感じるからこその味わいなのだろうかと深みをなんとなく感じた。

日なたにおかれたかき氷のように溶けていく。無益な時間。うむ、確かに思えば僕もそんな時間を積み重ねてきたと思う。
大家の愛犬はケチャ・・・ケチャってインドネシアバリ島の民族音楽のケチャなのかなって頭をよぎった。
夏のイベントにかこつけて、男女の距離を縮める儀式に懐疑的な心情を吐露する君の気持ちはよくわかる。
明日、明後日、明明後日と来る日は来ると、万全の体制を整えてからと言い訳を繰り返す気持ちもよくわかる。
僕はそうやって夏の時間を失ってきた
積もるのは後悔と懺悔の夏
あのとき、あのばしょで、あといっぽと
来る日がいつか来ると思うな2020夏の思い出、、、と読みながら自分の心の柔らかな部分を撫でてみた。
タイムマシンに心惹かれる理由
我々人類にとって時間こそが根源的な謎であり、誰一人逃れることのできない普遍的な制約である。
確かにとおもいつつ、時間の概念が人を時間に縛りつけるのではないかという気にもなった
明るくなり、暗くなり、それを一日と規定することが時、まるで別な空間のように錯誤させているのではないか。
連続した錯誤が一日を生み、時間を刻んでいるのなら、時間という概念をなくせば、生と死は同一単位なのではないか
なにやら難しいことを言い始めたけど、コンビニが24時間になり、夜寝ることが常識から少しずずなくなってきた現代において、一日という単位で生活を区切るのは馬鹿らしいなと思った。
タイムマシンが時間をどういった形で定義するのか、○年○月○日○時○分○秒は確定的な空間と思っているけど、
これはよほど不確定で曖昧なものなのかも知れない。
時間のスタート、地球のスタートを0と規定できない限り、本当の意味で空間は特定できないのではないか。
地球の起源、宇宙の起源、0の概念を定義しなければすごく不安定な空間的な概念のような気がした。
でも、今を0と規定して、空間をマイナスで跳べるならありかな?
それでも、時間は流動的なもので、0を規定した瞬間に0は喪失するから、
本書のタイムマシンが時間を指定できない点、しっくりきました。
意味の分からないことをつらつら言いましたが、読書を楽しむとはこういう無駄なことを思案することだと思います。
城ヶ崎の河童似てるの原因に気づけなかった自分はまだ、夢想の練習が足らないらしい。

「だって昨日、ここで私たちは約束したんです!」
とてもキュンッってしました。

時間は一冊の本、、、、、
なるほどですね。

決まっていようが、知らなければ問題はない。

あるがままを受け入れましょう。

そして、最後の一文。
ありきたりだけど、僕は好きですよ。こういう締め方。

 

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