永寿総合病院看護部が書いた新型コロナウイルス感染症アウトブレイクの記録 著 髙野ひろみ他2名
2021年4月1日 第1刷
2021年6月1日 第3刷
全125P
〔概要〕
永寿総合病院が新型コロナウイルス感染症によってアウトブレイクになるまでの過程
その経過をポップな絵を交えながら綴られた内容
当事者の葛藤も見え、実際に現場でどのようなやりとり、注意、想いがあったのか少しだけ
感じられる内容
[感想]
この著書で一番印象に残ったのは、P84の患者さんのお見送り「全然知らない私ですみません」です。
エンゼルケアという言葉をみなさんは知っているのでしょうか
ご遺体を遺族や葬儀屋に繋ぐ時、亡くなった方をケアすることをさす言葉だそうです。
アウトブレイクの中で、多くの患者を見送ったそうですが、
感染のリスクがあるということで、陽性患者のご家族は最後の別れもすることができなかったそうです。
そして、患者の私物はすべて破棄しなければならず、ベットに置かれた手紙、写真、お守り、、、、
看護師が納棺の際に耳にしたガムテープの音が忘れられないそうです。
コロナというものがいかに残酷で、悲しく、胸をえぐっていくものか
目の当たりにしていない僕が、こんなにも苦しい思いをするのであれば
そう思うと医療従事者の背中がおおきく見えると思います。
知らないということは幸せで、不幸なのかもしれません。
そんなことを感じました。