桜のような僕の恋人 著:宇山佳佑
2017年2月25日 第一刷
2021年4月20日 第三十七刷
目次
P9・・・・第一章 春
P89・・・ 第二章 夏
P155・・・第三章 秋
P251・・・第四章 冬
P311・・・第五章 新しい季節
桜を見ると思い出す。
から始まるこの小説は、読み進めるうちに涙がとまらなくなりました。
桜は嫌いだ。
すぐに散るから。
美しいものは儚い・・・・・
カメラマンを目指して上京した晴人は、ぐだぐだと生活をしていた。
そんな時に美容室でであった美咲に恋をして、
また、自分の夢を追いかけようと奮闘する。
才能がなく、どうしようもない人間味ある晴人と
一生懸命に生きる美咲にがんばれ〜って思いながら読み進められます。
美咲が病気になって、大好きな晴人と離れることになって
周りの美咲を大事にする人を傷つけて、
美咲が大事に思う人を傷つける自分に傷ついて
生きることへの葛藤
精神と肉体が離れ離れになっていく切なさ
会いたいけど、会えない
会ったけど、分からない
胸が苦しくなって、愛おしくなって、変わらないものってなんだろうって
そういう風に感じさせてくれる作品でした。
過ぎ去ったモノは二度と戻らない
沢山あったと思った時間はすぐになくなる。
桜のように美しく咲き誇るためには
自分の短さをよく知って
懸命に今を生きるしかないのかもしれません。