よいこの読書録

よいこが読んだ本の感想を好きなように書くの

生きるぼくら 著:原田マハ

2015年9月15日 初刷
2019年12月9日 19刷
1母の失踪・・・・・・・P5
2梅干し戦争・・・・・・P26
3蓼科へ・・・・・・・・P57
4さよならケータイ・・・P91
5ひと粒の籾・・・・・・P179
6ぼくらの田んぼ・・・・P244
7緑響く・・・・・・・・P320
8豊穣の時・・・・・・・P373
全415P

 

事情があって母子家庭となった主人公の人生

大好きだった梅干しもいじめにあって嫌いになった。

社会からはじきだされて、すべて苦しくなってひきこもり

母の失踪を期に父方の実家へ

母が残した数枚の年賀状が僕の心をギュッと締めた。

蓼科どうにかこうに着いた人生

人のぬくもりに出逢う

小説だから特別な優しさかもしれないけれど

現実にはおせっかいなんて山ほどいるでしょ

父方の実家に到着すると、認知症になりかけの祖母が・・・・

自分のことを分からなくても受け入れてくれ祖母マーサ

そんな祖母と一緒に暮らすおかっぱ頭の女の子

実は父が離婚後、結婚した相手の連れ子、つぼみ

祖母を慕って人生と同じように祖母のもとに駆け付けていた

自分はここにいて良いのかと迷う人生

マーサ、つぼみと暮らすために地元の企業で働くことになる

マーサの認知症が進む中で、祖母が愛した昔ながらの田んぼ作りを進めていく

介護の苦しみ、葛藤を描きながら話は進む

最終的にコメ作りが終わり、物語は終息していく。

 

僕が感じたのは、認知症の怖さ

自分の記憶に自信が持てなくなっていくなか、笑いかけてくれるたぶん大切だった人達を周りに、マーサばあちゃんは何を想ったのか。

何が勝ちで何が負けで、僕らは生きているのか

そして、生きる僕らでいられているのか

この小説を読むと

「僕らは生きる」はどこか能動的な印象になって

「生きる僕ら」が生きることで僕らは存在するというように読める気がした

小説に出てくる自然の田んぼは

土壌は固く、雑草がうっそうと茂り、あるがままの大地に手を丁寧に加え、そこに米を作る

社会は既存の人がひしめき合って、善悪を混ぜ合わせたうっそうとした人混みの中、

どうにかこうにか生きていく

がんばらなきゃなって思える本でした。

 

 

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