ラストで君は「まさか!」と言う
2021年9月30日 第1刷
P2・・・プロローグ
P8・・・あなたの神様
P18・・・初詣のシナリオ
P27・・・加奈の守り神
P34・・・神様のヒマつぶし
P44・・・ハッポンサマ
P59・・・きみはだれより美しい
P67・・・パンダのご利益
P75・・・待合室にて
P81・・・おやつを食べてあげましょう
P87・・・神の御前で
P95・・・望みのかわりに望むもの
P104 ・・神様ビーム!
P116 ・・神の座
P124 ・・今日の運勢
P137 ・・よみがえり
P150 ・・吹雪の夜の話
P158 ・・神さまの休日
P173 ・・小さなお家
P184 ・・神様の木の実
ショートストーリーの塊
一話、一話最後にまさか!と思う展開
一つ、一つは3分くらいで読めるのでさくさく楽しめる
あっと驚くストーリー性は弱いかもです。
斜め上から見ると先が読める話もあるけど、
ほくほく楽しめるとよいこは思うよ
あなたの神様がほっこりしてお気に入り
あと、神様ビームはくすっとした。
・あなたの神様
おみくじの話、なんとなくほっこりする
おみくじ引いて、少しがんばろうかなって思える
・初詣のシナリオ
甘酸っぱい雰囲気だけど、最後にほっこりする話
いいと友達は沢山持ちたいね。
・加奈の守り神
お母さんの愛って偉大だな
・神様のヒマつぶし
優しい人憑かれるのかな
・ハッポンサマ
少し怖いはなし、ハッポンサマに噛まれないように
・きみはだれより美しい
きみがきみであるとは限らない
・パンダのご利益
半田のパンダ
・待合室にて
死者の待合室
・おやつを食べてあげましょう
猫神さま
・神の御前で
アフターサービスの丁寧さにクスッとする。
・望みのかわりに望むもの
願いの対価
・神様ビーム!
素敵なフィクション
・神の座
ブラック企業ですか。
・今日の運勢
ちょっと怖いぞ真壁君
・よみがえり
慈愛とはなんぞ
・吹雪の夜の話
星座
・神様の休日
切ない
・小さなお家
・神様の木の実

永寿総合病院看護部が書いた新型コロナウイルス感染症アウトブレイクの記録 著 髙野ひろみ他2名
2021年4月1日 第1刷
2021年6月1日 第3刷
全125P
〔概要〕
永寿総合病院が新型コロナウイルス感染症によってアウトブレイクになるまでの過程
その経過をポップな絵を交えながら綴られた内容
当事者の葛藤も見え、実際に現場でどのようなやりとり、注意、想いがあったのか少しだけ
感じられる内容
[感想]
この著書で一番印象に残ったのは、P84の患者さんのお見送り「全然知らない私ですみません」です。
エンゼルケアという言葉をみなさんは知っているのでしょうか
ご遺体を遺族や葬儀屋に繋ぐ時、亡くなった方をケアすることをさす言葉だそうです。
アウトブレイクの中で、多くの患者を見送ったそうですが、
感染のリスクがあるということで、陽性患者のご家族は最後の別れもすることができなかったそうです。
そして、患者の私物はすべて破棄しなければならず、ベットに置かれた手紙、写真、お守り、、、、
看護師が納棺の際に耳にしたガムテープの音が忘れられないそうです。
コロナというものがいかに残酷で、悲しく、胸をえぐっていくものか
目の当たりにしていない僕が、こんなにも苦しい思いをするのであれば
そう思うと医療従事者の背中がおおきく見えると思います。
知らないということは幸せで、不幸なのかもしれません。
そんなことを感じました。

桜のような僕の恋人 著:宇山佳佑
2017年2月25日 第一刷
2021年4月20日 第三十七刷
目次
P9・・・・第一章 春
P89・・・ 第二章 夏
P155・・・第三章 秋
P251・・・第四章 冬
P311・・・第五章 新しい季節
桜を見ると思い出す。
から始まるこの小説は、読み進めるうちに涙がとまらなくなりました。
桜は嫌いだ。
すぐに散るから。
美しいものは儚い・・・・・
カメラマンを目指して上京した晴人は、ぐだぐだと生活をしていた。
そんな時に美容室でであった美咲に恋をして、
また、自分の夢を追いかけようと奮闘する。
才能がなく、どうしようもない人間味ある晴人と
一生懸命に生きる美咲にがんばれ〜って思いながら読み進められます。
美咲が病気になって、大好きな晴人と離れることになって
周りの美咲を大事にする人を傷つけて、
美咲が大事に思う人を傷つける自分に傷ついて
生きることへの葛藤
精神と肉体が離れ離れになっていく切なさ
会いたいけど、会えない
会ったけど、分からない
胸が苦しくなって、愛おしくなって、変わらないものってなんだろうって
そういう風に感じさせてくれる作品でした。

過ぎ去ったモノは二度と戻らない
沢山あったと思った時間はすぐになくなる。
桜のように美しく咲き誇るためには
自分の短さをよく知って
懸命に今を生きるしかないのかもしれません。
かさをささないシランさん 著:谷川俊太郎 絵:いせひでこ
・出だし
かさをささないシランさん
この本を手にとったのはタイトルに惹かれたから
僕もシランさんと同じで傘をささないから
どんな話かなって気になって手にとりました
表紙はすごくシンプル
華やかな楽しみはないかなって思いながら
作者を見ると
谷川俊太郎
国語の時間によく見かける作者の名前に少し、期待しちゃいます
・ストーリー
ページをめくると少し大人びた絵が広がって
なんとも懐かしい気持ちになります
シランさんという若者について、
そのディテールが描かれる
彼はまじめで、働き者、独身だけど友達は多そうです
多くの人と同じようにテレビに悲しいニュースに胸を痛めながら
よくある話だと物わかりよく
目線をはずしていく
シランさんに手紙が届く
罪もないのに牢屋に入れられた人にあなたも手紙を書きませんか?
かわいそうだけど、どこか遠くの人の話で、その人がほんとうに悪いことをした人かもしれないと
手紙を捨ててしまう
シランさんは突然逮捕されます
おまえの家には一本も傘がない
雨がふっても傘をささないのはなぜだと問われ
あめにぬれながらあるくのは気持ちがいいと答える
我が国ではそんな人はいない
人と違うことを考えるのは敵だ!!
そのままシランさんは逮捕されてします
評価していた会社の人、仲が良かった友達、みんなシランさんはいい人と思っていたけど
ひとは見かけによらないと冷たくなっていく
そこで場面がかわり
シランさん宛に手紙を書く誰か
それは遠い国のシランさんを知らない人
あなたがかわいそうだ
あなたとは一度もあったことがないが友達だと・・・
そこでこの話は終わっていく
・感想
シランさんを見かけによらないといった人は冷たいだろうか
僕はそんな風には思えない
きっと多くの人がそう思うだろうし
シランさんもそうだった
目に見える悲しみ、苦しみをよくあることだといって
目線をはずしていく
世間にはたくさんの苦しみがあふれかえっている
それを一つ一つ拾い上げていたら
自分の感情は壊れてしまう
それでもシランさんに手紙を書いた人のように
自分が何かをすれば、誰かの気持ちが軽くなることは
よく、よく、分かっていなければいけないと思う
この話は身近な人が案外冷たく、遠くの人でも君を思ってくれる人がいるという話ではなく
距離の遠近ではなく、人が人を思くことで生まれる優しさ
普段、いろいろな思いを切り捨てて、自分は幸せに生きてるんだよ
たまに誰かに優しさをふりまいてもいんじゃない
そんな気持ちにさせてくれる内容でした。
かさをささない僕もシランさんのように思想犯として逮捕され
いつか投獄されるかもしれないから
自分の優しくできる範囲で人を幸せにしたいと思った。

そして、バトンは渡された 著:瀬尾まいこ
2020年9月10日 第一刷
2020年11月20日 第四刷
P8 ・・・・・・第一章
P318・・・・・・第二章
P421・・・・・・解説
全P425
家族とは、何か
幸せとは、何か
誰かが決めることじゃない
優しい人がたくさんの世界感
でも、現実の自分周りも
たくさんの優しい人がいて
出逢い方とか、思い方で自分の周りの見え方が変わるのかなって
主人公は優子ちゃん
何人も親や人とかかわって代わっていく中で成長していく
人と人の思いが繋がって
そうやってバトンが渡されて
愛されて、大切にされて、
むずかゆい気遣いがあって
ぐっと胸に残るものがある
親の愛情って
人を想うって
こうなのかなって
自分じゃない誰かの幸福を祈って
迎えられる明日は希望が増える
そんな人が増えるなら、家族って素敵で
人との関係性が血じゃなくて
想いのバトンでつながる
そんな本です。
涙が流れるのは、つらいじゃなくて
そういう風に人を想えるんだって
胸が震えて、いっぱいになるからです。
少し感動したいなって想ったら、読むといっぱいの幸せがもらえます。

かもめたくはいびん 著:いしいひろし
(ストーリー)
大忙しのかもめの郵便屋の話
ある時に、長く働いてくれる従業員を採用しようと応募写真を見る
目が鋭く、これは長く続きそうだと採用しようと呼んでみる
来たのはかもめじゃなくて、ペンギン
びっくりしたけど、とりあえず受付にどぞどぞ
お客が怖がってだめだ
次はバックヤードにどぞどぞ
他の従業員が怖がってだめだこりゃ
そんなこんなしてると雨がしとしと降ってきてお昼
ペンギンは配達したいなーと思っていると
誰も配達にいこうとしない場面に遭遇
なぜか確認すると、雨が降ってみんな飛ぼうとしないんだと教えられる
ここでペンギンは気づきます
はっ!!俺、飛べないじゃん
ここでかもめは気づきます
はっ!!ペンギンは水中泳いで配達できるじゃん
そんなこんなでペンギンは配達を任せられます。
水の中はすいすい、陸のうえはへとへと
帰ってくると、また大量の荷物にペンギンはびっくり
飛行機の免許とろうかなぁってシーンでお話は終わる
(絵)
色鉛筆で描いたような優しい絵
カモメの愛くるしい姿
出会った瞬間のペンギンの鋭い目、こわい、
受付の見下すような目をしたペンギン、こわい、
飛べないじゃんって気づいたときのペンギン、アホ、過ぎてめちゃかわいい
というか、ここが一番笑えた。
緊張と緩和のピークだと思う
すぐにカモメの海泳げるの忘れたてた!はさらに笑える
字のフォントの使い方も絶妙で、好き
ここからペンギンはこわいイメージから少し抜けてるいい奴に見えてくる
海の中を泳ぐ姿は気持ち良さそうで、
陸を歩く姿は、たいへんな業務もまじめにこなすように見える
最後に追加の荷物を見たときのあんぐりな表情は最高に親近感がわく
遠い目をして、パイロットになる方法を持つペンギンに哀愁を感じる
(感想)
見た目じゃわからないことなんて沢山ある
こわいとおもっていたペンギンのことを見るうちに
愛くるしさ、目の鋭さがギャップになって
いとおしく思えるほどに
そして、最後のパイロットになる方法は、
仕事をしている人は何度か考える
転職や、キャリアアップの切実な願いが伝わる
子供にはまぬけなところで笑いを、大人には哀愁漂うところで笑いを
子供にも、大人にも笑えるお話でした。

街どろぼう 著:junaida 装丁:祖父江慎+藤井遙
2021年7月10日初版
(ストーリー)
巨人が寂しさに耐えられず
街から一軒の家を盗み出したところから話は始まる
家の住人は寂しいといい、親戚も一緒にという
巨人は親戚の家もこっそりと盗み出す
その家の住人は寂しいから友達も読んでほしいという
巨人は友達の家もこっそりと盗み出す
その家の住人は私たちだけだと不便だからお店がほしいという
巨人はお店をこっそりと盗み出す
そうして、何回も家を盗んでいく内に
巨人は街をまるまる盗む、移動することなった
巨人の回りには街ができ
にぎやかになるも寂しさはやわらがなかった
巨人は孤独を抱えながらその場をあとにする
街があった元の場所に戻ると
一軒だけ家が残っていた
誰にも呼ばれなかった子の家
巨人はその子と仲良くなり、末永く暮らしたという話
(絵)
全体的に青を基調とした色使いで優しく、エレガントな感じ
巨人は赤みがかっているが素朴な雰囲気で、優しくぼくとつとしたデザイン
家を盗む回数が増えるたびに抱える?家が増えていく絵の感じが
少しだけワクワクした。
終始、巨人は哀愁を抱えているが、誰にも呼ばれなかった少年の家を持ち上げた巨人からは喜びというよりも、穏和な表情が見て取れた。
たぶん、口角が少しあがり気味になったからだと思う。
(感想)
僕はこの話を読んだとき、
次々と家を盗んでいく巨人から、
人は一人では生きていけないよ
という意味がある絵本かと思った
ただ、最後に寂しさが消えなかった巨人
誰にも呼ばれなかった子
二人の出会い
少しもの悲しくなった
なんで巨人は幸せになれないのか、
なんで誰にも呼ばれない少年がいるのか
誰にも見向きされない寂しさを抱えなければならないのか。
ただ、視点を変えれば、これはもしかすると、
どこかにあなたを理解してくれる人がいるよって意味なのかもしれない
今いる場所がすべてじゃないよ
無理矢理、今、自分の居る場所に何かを持ってきても本当に幸せになれないよ
どこかに探しに行かなきゃ、会えない何かもあるよ
誰にも必要とされない子でも
どこかにあなたを必要とする人がいるよ
そういった意味があるのかもしれない
特別な誰かはいるよって
少し悲しくなったけど、救いのなさそうな悲しい本
そこに希望を感じることができるようになりたいなって思いました。
