よいこの読書録

よいこが読んだ本の感想を好きなように書くの

街どろぼう 著:junaida 装丁:祖父江慎+藤井遙

2021年7月10日初版

(ストーリー)
巨人が寂しさに耐えられず
街から一軒の家を盗み出したところから話は始まる
家の住人は寂しいといい、親戚も一緒にという
巨人は親戚の家もこっそりと盗み出す
その家の住人は寂しいから友達も読んでほしいという
巨人は友達の家もこっそりと盗み出す
その家の住人は私たちだけだと不便だからお店がほしいという
巨人はお店をこっそりと盗み出す
そうして、何回も家を盗んでいく内に
巨人は街をまるまる盗む、移動することなった
巨人の回りには街ができ
にぎやかになるも寂しさはやわらがなかった
巨人は孤独を抱えながらその場をあとにする
街があった元の場所に戻ると
一軒だけ家が残っていた
誰にも呼ばれなかった子の家
巨人はその子と仲良くなり、末永く暮らしたという話

(絵)
 全体的に青を基調とした色使いで優しく、エレガントな感じ
 巨人は赤みがかっているが素朴な雰囲気で、優しくぼくとつとしたデザイン
 家を盗む回数が増えるたびに抱える?家が増えていく絵の感じが
 少しだけワクワクした。
 終始、巨人は哀愁を抱えているが、誰にも呼ばれなかった少年の家を持ち上げた巨人からは喜びというよりも、穏和な表情が見て取れた。
 たぶん、口角が少しあがり気味になったからだと思う。

(感想)
僕はこの話を読んだとき、
次々と家を盗んでいく巨人から、
人は一人では生きていけないよ
という意味がある絵本かと思った
ただ、最後に寂しさが消えなかった巨人
誰にも呼ばれなかった子
二人の出会い
少しもの悲しくなった
なんで巨人は幸せになれないのか、
なんで誰にも呼ばれない少年がいるのか
誰にも見向きされない寂しさを抱えなければならないのか。
ただ、視点を変えれば、これはもしかすると、
どこかにあなたを理解してくれる人がいるよって意味なのかもしれない
今いる場所がすべてじゃないよ
無理矢理、今、自分の居る場所に何かを持ってきても本当に幸せになれないよ
どこかに探しに行かなきゃ、会えない何かもあるよ
誰にも必要とされない子でも
どこかにあなたを必要とする人がいるよ
そういった意味があるのかもしれない
特別な誰かはいるよって
少し悲しくなったけど、救いのなさそうな悲しい本
そこに希望を感じることができるようになりたいなって思いました。

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街どろぼう