よいこの読書録

よいこが読んだ本の感想を好きなように書くの

えんとつ町のプペル

えんとつ町のプペル 著:にしのひろあき
2016年10月24日 第1刷発行

話題性がある本です。
お笑い芸人の描いた本
そんな思いもありました
先入観は目を曇らせます
僕の眼前にもけむりがもくもくと
あったのかもしれません

読む前、プペルをずっと煙突掃除をする男の子だと思ってました
実際は、ふとしたことから命を得たごみ人間がプペルでした
内容はみなさんが読んで確かめるのが一番だと思います

ネタバラシを含むかもしれませんが、
感想を書いていきます。

プペルはハロウィンの日に命を宿しました
町に行くと
仮装した子供たちと家々をまわり
お菓子をいっぱいもらいます
その日の最後に衣装を脱いだ子供たちが、
プペルの衣装を脱がそうとします
そこで知るのです
プペルが自分とは違う何かであるということを
何かは怖いです。
知らないから、仕方のないことかもしれません
子供たちはプペルを化け物といいます。
とても僕はここで悲しくなりました
一緒に楽しい時間を過ごした仲なのに
何かわからないモノということで
急に冷たくなる子供たち
もしかしたら、子供たちは自分たちと同じ人と思っていた
気持ちを裏切られたからかもしれません
それでも、楽しい時間を過ごしたプペルを拒絶する子供たちに
胸がぎゅっとなる思いでした。
怒りではなく、ただただ悲しい気持ちでした。

次にプペルは煙突掃除の少年ルビッチと出会います。
ルビッチは懐かしい臭いがするとプペルとはなします
プペルはゴミ人間なので臭いです。
ルビッチはプペルに臭いといいます。
これは真実であり、場面によれば拒絶の言葉です
僕はこれを拒絶ではなく、許容の言葉に聞こえました
受け入れるための言葉
ぼくがすてたパンツでもまじってんじゃない

・・・プペルは町の嫌われ者
ルビッチはやがてプペルとの関係を保てなくなります
ルビッチもまた、プペルを拒絶する時がきます
それでもプペルはルビッチを思い、
ルビッチのために行動します。
それは、自分を傷つけるとしても、プペルは自分が
何を大事にするべきかを知っていたのかもしれないし、
それが自分以外、大切にしたいものから拒絶されたとしても
守りたいものなら、行動し続けることに想いがあることを
誰よりも怪物であったプペルには分かっていたのかもしれません。
愛は与えるものと言いますが、僕はこれが愛の一つのあり方だと思います。

最後に読んでいくと、見た目じゃない、本当に大事にするものは
他人から見た何かではなく、自分で見た何かであると思いました。

あなたにとって素敵な何かを、誰かの目で見ないでほしいと思える作品でした。

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