パッケージ戦略 著:松浦陽司
2020年05月20日初版 合同フォレエスト株式会社
目次 全188P
第一章 パッケージはモノ言わぬセールスマン
第二章 手に取ってもらえるパッケージの秘密
第三章 大ヒット商品を生む「目のつけどころ」
第四章 パッケージで価格競争地獄から脱出
第五章 売上を伸ばすターゲットの絞り方
第六章 パッケージが変われば世界が変わる
商品購入の思考パターン
目につくパッケージ → じっくりと商品を吟味 → 使用感を確認 →リピートするときにパッケージを目安にする
商品価値の見いだし方
商品そのものに価値を見いだす
商品の用途に価値を見いだす
例)おみやげの商品
美味しいけど、包装にくるまれていないお菓子20個
ふつうだけど、包装にくるまれているお菓子20個
配ることを前提に考えると後者のほうが商品価値があると思われる
誰に、いつ、どのような状況で使用されるかを前提に商品に付加価値をつける(パッケージ力)
パッケージによって商品プランド力を付ける。これが、この商品だと印象づける。
カレーを売るのではない。A社のカレーを売るのだ。
顧客のニーズに基づくパッケージ
自社の商品魅力を伝えるのは、提供できるサービスパッケージング
例えば、顧客がこれが嫌い、こういったのが欲しい、既存の売場環境から栄えるカラーリングは何かを模索する。
会社の特性を顧客にあわせるのでなく、顧客の要望に会社が合わせる(既存の自社製品の強みを顧客のニーズに合いますよと紹介する)
色の特性に気を配る。
青は食欲減退色 食欲を増進するのは、赤や茶
配色にもこだわること。
おもしろいと思った話
台風被害にあった梨を機転で売り抜いた戦略の中で、箱をだるまのデザインにして、だるまに墨で目を黒く塗れないから(水性のため)、油性マジックで落ちないように書いてくださいと説明書きを添えたこと。
これは、箱の特性から通常だるまの目には墨で黒点を書くので、墨で目が書けないという常識的にはマイナスな要素を、油性で落ちないように、受験に落ちないようにと掛け合わせて商品価値を高めた戦力がすごく発想の柔軟さを感じた。
消費者が商品を覚える順番
商品の色 → 商品の形状 → 商品名
*しかし、無数の商品がある現在、色での差別化は難しく、形状は製品生産コストに過分な負担をかける。その点、商品名は製品生産コストに対する付加は少なく。配色と違って独自性を出しやすい。
商品パッケージの設定方法
自社商品の強みを見つける
強み、好きな点、喜んでもらっている点、これらを現場のスタッフ込みで書き出し、意見を集約する。思わぬ気づきがあるかも知れない
競合他社の強み、類似点を脇に置いてみる
残ったのが自社の強みと言える
求められてる価値を見いだす
おみやげであれば、配り易さ、そこに行ったというメモリアルシンボル
日用品であれば、使い易さ
甘酒はブドウ糖が多く、脳のエネルギー源として朝に飲まれることが多く、飲む点滴といわれているらしい。。。。知らなかった。
ギノーみそのパッケージは意外だった。
全面に観光地をあしらえ、どこにいったかを明確にし、
裏に宛先と差出人、メッセージを記入する欄を設け、定形外郵便料金の切手を貼れば後はポストに投函するだけにしたデザインはその手があったかと感嘆した。
安売りの負のスパイラル
→ある曜日だけ限定で○%OFFとする。 → 当初はもくろみ通り、その日は売り切りとなる → 逆にその日以外は顧客は割高に感じるようになる → つまり、安売りが定価に変わるといったスパイラルに入る
同じ経済効果で顧客の満足度を高める方法はないか
例えば1,000円の商品を50人に一人無料にします、
経済効果は通常50,000円の売上げから一人分の売上げを差し引くので49,000円の売上、つまり2%引きです。
商品が全部、2%引きと一人無料なら、同様の経済効果ですが、受けてからすると無料になるかも知れないという期待感、高揚感が2%の値引きでも通常以上の宣伝効果がある。
売場が変われば買い手も変わる。
同様のパッケージで全ての売場で売れると考えるのは、思考の手抜き
インスタグラムのアップ写真から
男性は斜めから写真を撮る傾向がある
女性は真上から写真を撮る傾向がある
現在はどうか分からないが、顧客ターゲットを男女で絞るのであれば、必要な知識
パッケージに原材料を撮すことで、原材料に何が使われているか視覚的に訴える
金長まんじゅうの「ハレたん」がめちゃかわいい
徳島の「狸合戦もなか」もかわいい